「価値」こそがすべて!: ハーバード・ビジネス・スクール教授の戦略講義


「価値」こそがすべて!: ハーバード・ビジネス・スクール教授の戦略講義

この本は、ハーバード・ビジネス・スクール(HBS)の教授が教える戦略のアプローチである「バリューベース戦略」について紹介しています。この戦略は、HBSのエグゼクティブ・コースやMBAプログラムで学ばれており、多くのHBSの卒業生が企業のパフォーマンス向上のために活用しています。

本書では、「バリューマップ」と呼ばれるツールが特に注目されています。これはHBSのコースで使用されるツールで、経営者が教室で議論されたアイデアを会社に持ち帰るための役立つツールです。著者は、このツールをビジネスに応用することを推奨しており、多くのエグゼクティブが自社のバリューマップを作成して成功を収めていると述べています。

本書はHBSの戦略コースの対話から生まれたものであり、米国では高い評価を受けています。著者のフェリックス・オーバーホルツァージー教授は競争戦略分野で中心的な人物であり、経済学ベースの研究を行っています。本書の主張は抽象的な議論ではなく、非常にクリアで整理されたロジックに基づいており、読みやすさも特徴です。

「バリューベース戦略」は、従来の戦略論を進化させ、よりシンプルに定式化した最先端の戦略理論です。マイケル・ポーターのポジショニング・アプローチやダイナミックケイパビリティ論などの要素も取り入れています。この戦略は日本ではまだ広く知られていないかもしれませんが、日本企業の戦略の刷新に役立つとされています。

以上が、ハーバード・ビジネス・スクールで学ぶ「バリューベース戦略」についての概要です。

レビュー

masaluckyさん: この本は、製品やサービス、企業の戦略の根幹である「提供価値と対価の裁定取引」に焦点を当てています。多くの企業事例が紹介されており、製造や物流業界に偏っているかもしれません。重要なのは、善意の裁定取引を作り出すことであり、その要点を感じます。

hbspmdさん: この本では、「より良い戦略はシンプルなものである」という考え方が提案されています。価値創造こそが戦略の鍵であり、顧客のWilling to pay(WTP)と提供者のWilling to sell(WTS)の差によって価値が生まれるとされています。価格とコストの差には直接的な収益があり、コストとWTSの差は将来の競争力に関わるとされています。筆者は、「バリューマップ」を通じて顧客に重要な要素と企業の価値提供がマッチしているかを見える化し、トレードオフをつくることを提唱しています。本書は、真の戦略について考える際に役立つ一冊とされています。


「価値」こそがすべて!: ハーバード・ビジネス・スクール教授の戦略講義

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