ダブルマリッジ

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大手商社のエリート社員、桂木憲一は、妻、大学生の娘と幸せな家庭を築いていた。だがパスポート更新のために、戸籍謄本を取り寄せたことから、生活が暗転しはじめる。なんと、最新の謄本には、「婚姻」欄に、妻の里美と並んで、マリア・ロペスというフィリピン国籍の女性名が書かれていた。
役所からは、「刑法には重婚罪がありますが、民法上は、当事者からの請求がないかぎり、行政が重婚を解消する手続きは、定められていないのです」という意外な答えが返ってきた。
マリアはなぜ、今になってこのような行動に出たのか?
数日後、憲一の自宅に、一通の封書が届く。中を確認した妻は悲鳴をあげた。
送られてきたのは新たな戸籍謄本で、そこには「長男」として「ケン」という名が書かれていた――。
実話に基づく驚天動地のストーリー。そして物語は、やがて最も悲しいラブストーリーへと姿を変える。

レビュー

「橘玲さんの小説はPT以来ですが読みやすい人物設定とめちゃくちゃ難解な二重国籍の知識をわかりやすく作品内に取り入れているのであっという間に読んでしまった。最後の展開が少し急すぎるかなって気がしたので星4つ」

「海外で日本人男性が起こしている問題をさまざまな視点から浮き彫りにしている読み応えある一冊。実話ではないが、実際におこっている現象から書かれているので、リアルでストーリーに引き込まれます。」

「ストーリーも面白いし、勉強にもなります。ただ、もう少し、金融の要素が欲しかった。」

「父親を日本人とするフィリピンの子どもたちの無国籍の問題がニュースになったのは、10年以上前だろうか。そういうやり捨ての日本の男が主人公で、差別意識にまみれた妻と、天使のような娘が登場する。社内政治が絡まり信頼を寄せていた部下の裏切り、家族の関係、フィリピン新日系人の実態を更に掘り下げればもっと面白かったかも、との印象が残りました。」

「永遠の旅行者やマネーロンダリングと比べると、いまひとつな印象が拭えない。正直著者が若者文化について行けていないのが原因だろうか。」

「みんなレビューボロクソだけど、これ以外に終わらせ方あったんたと問いたい。個人的には、国際私法にも興味もてたし、価格分以上は十分に知識吸収させて頂きました。」

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